感謝兎の雑記

思いついたこととかを適当に書きます。

祝姫の感想その1(ネタバレ含む)

タイトルに書いた通りネタバレを含むのでご注意ください。

体験版をやった時から非常に期待してましたが、読了してみると期待をはるかに超える素晴らしい作品でした。序盤で提示された謎が明かされ、呪いに翻弄されるしかなかった主人公が成長してスパッと解決する様はひぐらしのなく頃にを圧縮したような爽快感がありました。

美濃部鼎のシナリオで一番現れてましたが、現実と幻想が入り混じるシーンはうみねこのなく頃にを思い起こしました。

呪いという超常現象が前提となってるところは彼岸花の咲く夜にを思い出しますし、過去作品があったからこそ祝姫を作れたんだなぁと感慨深くなりました。

語りたいことが多すぎてまとまらなくなりそうなので、キャラクター一人一人について書いていくことにします。

まずは主人公である煤払涼君について。名前の通り爽やかな感じで女子力の高いイケメンですが、敵を倒すのではなく感謝を捧げるというのが良かったと思います。ニンジャスレイヤーで言うところのミーミーの継承者であり、ヒロインの黒神十重とは対極的な存在になってるのが面白いところです。1000年前に奇跡を起こせなかった陸が神への感謝をミーミーとして1000年伝え続けることに成功したというところが考えさせられました。

メインヒロインの黒神十重は見た目は人形を抱えた正統派ヒロインなのに、言動が非常におかしく狂ってるようにしか見えないので、体験版をやった時にはなぜそんな行動をとるのか気がかりになっていました。呪いの悪影響でそうなっていたわけですが、彼女が見せられてた世界の酷さを考えるとよくも1000年持ったなぁと思い、強い女の子が多い07thキャラでも最強だろうなぁと感じました。とにかく呪いを封じ込めたいという強い意志が印象に残る子でした。彼女はまさに鈴女からジーンを直接受け継ぐ存在であり、ミーミーを受け継ぐ涼とズレが生じてしまってます。その2人の関係性は深く考えさせられるものがあるので今後も考察していきたいと思ってます。

幼馴染ヒロインの春宮椿子は見た目が可愛らしいですが、血祭りバキコとあだ名が付くくらいの激しい側面があります。ひぐらしで暴行事件を起こした過去のある竜宮レナを思い起こさせるキャラです。彼女がそうなった原因はパパおじさんにあるわけですが、悪夢の世界で肉と言うバケモノとされてたものが現実の存在であるパパおじさんと結びつくのが、うみねこの魔法と依り代の関係性を思い出します。急性アノミーを引き起こしたパパおじさんについてはあまり書きたくないので割愛しますが、フラッシュバックを起こした椿子ちゃんに対するお母さんのやさしみが印象的だったのがキコちゃんシナリオだったと思います。あんなひどい体験をしても、素敵なお嫁さんを目指す椿子ちゃんはとても強くて可愛い女の子です。告白シーンの可愛らしさは転がりたくなるくらい可愛かったです。 シャチホコ部の部長である美濃部鼎ちゃんは、手を抜くために努力を惜しまないという僕が好きなタイプの女の子です。家庭環境の悲惨さはひぐらしの沙都子やうみねこの真里亞を思い浮かべますが、その2人と違って先輩キャラです。部長と呼ばれるのを嫌いながらも部員のことをちゃんと把握してるのがリーダーとしての資質を感じさせます。ミノベ県王国というメルヘンの世界が、母親の愛人と援助交際めいたことをしてしまってる現実からの逃避ってのが竜ちゃんらしい悪辣さと思いました。祝姫は一応全年齢版なのに卵を産み付けるプレイとか健全な青少年やシーライフに悪影響を与えてしまわないか気になりますが、セチュの王様がキモすぎるからご安心ください。親がアレでも強く生きようとするところが非常に好きなので、祝姫の女の子で一番お気に入りになってます。 後輩キャラで現役高校生アイドルの布川莉里杏ちゃんは二面性が気になる女の子です。マジカルリリーとしての過去と訣別したいのか、残したいのか判断しかねるところがあります。自分の過去が自分を責めるってところはうみねこエヴァを思い起こしますし、他の人の感想にあったひぐらしの成功と別のものを作りたかったうみねことの対比という視点は興味深かったです。ネットでの誹謗中傷をつい見てしまい悩んでしまう問題をスマホを壊すことで強引に解決させる点が面白かったです。 スズムンとは対照的な暑苦しさではあるものの常に癒し系であったナッチーとか、ただの悪ガキにしか見えなかった翔様がはるかに下回る三悪人のおかげで相対的に紳士に見える面白キャラになったとか、彼岸花の保健の先生めいた立ち位置かと思ったらすごく重要なキャラだったタマユンとか書きたいことはたくさんありますが、きりがないので今回はこの辺で締めておきます。